2015年 01月 31日
お久しぶりです。少しばかり近況報告を...
新年のご挨拶と、ブログの再開を...
と、書き出したいところではあるのですが。今回は、残念なお知らせをすることとなりました。
まずは、長らくブログの更新をストップさせてしまったこと、お詫び申し上げます。
今回の投稿が、もしかしたら最後になってしまうこと、ご理解いただけたら幸いです。
私事ではありますが。本年1月1日、父を亡くしました。
胆管癌を患っていた父は、一年半の闘病生活の末、72歳で永眠することとなりました。
今回、ガーナでの活動とはまったく関係のない報告となってしまいましたが、自分なりのけじめをつけるためにも、記録に残そうと思います。
父の最期、約一ヵ月間、短い間ではしたが、家族で父と闘病を共にすることができ、多くの思い出を残すことができました。辛く悲しいこともありましたが、それ以上に温かな気持ちにさせてくれたこと、家族の絆に気付かせてくれたこと、私たちにとっては貴重な財産として、記憶に残すことができました。
父が、私たち家族に課した最後の宿題、「死んでゆく人間の言葉から、何かを感じとって、自分のものとしてほしい。そして、できれば記録として残しておいてほしい。」この言葉を受けて、私たちなりに、父の死と向き合う作業をしてきました。
今はまだ、父親の死を直視できない現実もありますが、家族で毎日綴ってきた闘病日誌を振り返りながら、少しずつ、自分なりの死生観を形づくっていけたらな、と思っています。そしていつか、私なりの解釈を、発信できる日がもてたらな、と考えています。
さて、今後のことについてですが。
今しばらく、お休みをいただけることとなりました。
ゆくゆくは、日本の学校現場に戻る身ですので、これまでのガーナでの貴重な体験、父親の死から得たもの、そしてこれからの国際協力との向き合い方。これらを踏まえて、自分にできることは何であるのか。何を還元していきたいのか。ゆっくりと考えながら、Small Smallで歩み始めたいと思います。
せっかく綴ってきたブログなので、次回お会いする時には、テイストが変化しているかもしれませんが。何かしらの情報発信を続けていけたらな、なんて考えております。
ガーナを発つ日から、描きはじめた家族の画。
「家族の画を描いてほしい」という頼みごとが、父から私に向けての、最期のお願いごととなりました。目を開けることすらしんどい父が、下手くそなりに、真剣に描いた絵を、嬉しそうに眺めてくれたこと。今でも、鮮明に残っています。
By Naa Afoley Kanako
2014年 10月 27日
お詫びとお知らせ...
Blogの更新が、少し遅れてしましましたが、こちらガーナでは、先週の水曜日より全国的なストライキが始まりました。ガーナ保健サービスや、教育サービスなど、様々な労働組合で、無期限のストライキが始まり、私の配属先でも、その影響を受けています。
水曜日は、授業がストップ。
木曜日は、先生たちの出勤が半減。
金曜日にいたっては、生徒たちの登校も半減。
いつまで続くのか、先行き不透明ですが、これもガーナならではの経験です。
詳し情報が知りたい方は、ガーナニュースのURLを添付しますので、そちらをご覧ください。
さて、今回は、私的な理由により、ガーナでの活動を一時中断するため、そのお詫びとお知らせのために投稿させていただきました。
諸事情により、今週末より、日本に一時帰国することにしました。ブログを読んでくださっている方々や、コメントをくださる方々に対して大変申し訳ない気持ちなのですが、定期的なブログの更新、またタイムリーな情報をお伝えすることができなくなります。申し訳ありません。
活動再開した際には、また日々の記録をブログに綴っていこうと思っておりますので、目を通していただければ幸いです。
それでは、その日まで。
By Naa Afoley Kanako
2014年 10月 18日
ピンチはチャンス...
今週もあっという間に一週間が経ちました。
学校があるときは、どうしても仕事レポートばかりになってしまいますが。
今回は、今週水曜日(10月15日)の出来事をお伝えします。
10月15日。
朝から学校周辺も、断水。
保健担当の先生も、マラリアのため欠席。
何となく不吉な予感がしていたのですが、その予感は当たりました。
朝の集会後、保健室で記録作業をしていると、伝書鳩のように一人の生徒がレターを私のところへ持ってきました。(日本で言うところの、公文書です。)
内容は、10月15日「世界手洗いデー」のため、生徒への喚起をしてください。
当日の朝にレターが回ってくるところが、ガーナらしいなと思いましたが。それでも、国(教育省)から各学校への通達が整備されていることに驚きました。
私は、了解しましたとサインをして、再び執務へ。
そして、お昼休み。
校長先生が保健室にやってきて、帰りの集会時に「手洗い指導」をしなさいと。
私は、「分かりました」と言いつつも、内心「もう少し早めに言ってほしかった…」と。この間の「手洗い指導」とは違う形にしたかったので、少し考える時間が欲しかったのですが、思い通りにはいかないものです。
ピンチはチャンスと自分に言い聞かせて。
とっさに思い付いたアイディアは、生徒を先生役に。
写真の彼は、毎日、必ず、食事前に手洗いをします。
今週の月曜日、偶然にも彼にあるメッセージを伝えていました。
「君は、毎日きちんと手洗いをしていて、素晴らしいね!いつか、皆の前で話す機会があったら、紹介させてね。」と。
このチャンスを活かすしかないと思い、帰りの集会の前に、とっさに彼を見つけて、
「この後、手洗い指導の時間があるから、皆の前で、デモンストレーションしてくれる?」とお願いすると、彼は快く引き受けてくれました。
まずは、彼が手洗いを習慣化していることを皆に紹介し、その後、最低限の説明を加えながら手洗いを実践。恥ずかしそうにしながらも、一生懸命に取り組んだ彼に、生徒たちは自然と「クラップ・アワ・ハンズ」と拍手をしてくれました。
この素敵な習慣が、手洗いにも浸透してくれないかなと思いつつ。
写真の子供たちは、いつもしない手洗いを、その日ばかりは一生懸命にしていました。(もう帰っても良い時間なのにね…)
まだまだ習慣化には程遠いけれど、少しずつ前に進めたらと思います。
By Naa Afoley Kanako
2014年 10月 11日
最近の保健室はというと...
新学期が始まって、あっという間に一か月が経ちました。
相変わらず、毎日が驚きと発見の連続で、飽きることがありません。
先週の嬉しかった出来事の続きはというと…
予想通り、元の状態へ。生徒たちに、手洗いを習慣化させるのは、なかなか至難の業です。
でも、これも想定内。宿題が一つ増えたと思って、次なる課題に向き合いたいと思います。
さて、最近の保健室の様子はというと…
嬉しいことなのか、悲しいことなのか、毎日コンスタントに生徒が訪れます。
平均すると、一日に2~3人。
お腹が痛いとか、頭が痛いとか。生理用品忘れたとか、喧嘩して頭にタンコブをつくったとか。
中学生事情は、日本もガーナも、あまり違いがなさそうです。
そんな中で、今回は、一つの事例を紹介します。
写真の彼女は、段差を踏み外して、捻挫をしてしましました。
私が処置をするときに、いつも心がけていることは、
「自身の任期は限られているので、なるべく生徒がセルフケアできるように対応する。」
ということで、「Like This!」という言葉を多用しながら、RICE処置を教えてみました。
授業に戻った彼女は、初めての痛みと、初めてのアイシングの冷たさで、泣けてきてしまいましたが…
流石は、担任の先生。面白いことを言いながらクラスを和ませて、彼女に笑顔を戻しました。
思わず私は先生に、「あなたは素敵な看護師ですね!」と伝えると、それを聞いていた生徒たちは笑っていました。その後、自慢気な先生の表情を見て、こちらまで嬉しくなりました。
翌日、捻挫をした彼女は、即席で作った布きれ包帯と、氷を忘れずに持ってきていました。そして、写真のように自分で足首をアイシング固定して、授業を受けていました。
まだまだ言葉の壁に苦しんでいる私としては、伝えたことを、形としてフィードバックしてもらえたことに、喜びを感じました。
嬉しいことや、楽しいことばかりの日常ではないぶん、ちょっとしたポジティブな出来事に励まされます。そして、記録としてこの感情を、残しておきたいなと思いました。
By NaaAfoley Kanako
2014年 10月 04日
今週の嬉しかった出来事を...
ガーナへ来てから、3か月が経ちました。
任地での生活は、まだまだ生きるのに必死で…
先週は5日間の停電、今週は5日間の断水。お陰様で、冷蔵庫の大掃除ができました。そして、いかに節水するかと、毎日頭の体操をさせていただいています。
そんなサバイバル生活の中、今週は(仕事の中で)嬉しかった出来事がありました。
少し長くなりますが、お付き合いいただければ嬉しいです。
以前に報告しましたが、私のファーストミッションは「コレラ対策」。ガーナ全土で、まだまだ流行拡大しています。保健省、教育省も対策を講じているところで、先週の職員会議でも話題にあがりました。ということで、まずは校長の指示に従って、「手洗い指導」に勤しむことになりました。
どうしたら、生徒たちは手洗いをしてくれるのか…。
この課題と向き合うために、まずは観察と情報収集から始めました。
空き時間は、ひたすら学校や授業の様子を観察し、暇そうな生徒を見つけては、インタビューをし。一週間ほど観察を続ける中で、見えてきたことがありました。
その一、生徒たちは、手洗いが大切なことも、手洗いの仕方も理解している。けれど、面倒だから実行しない。
その二、生徒たちの集中力が持続するのは、最初の10分。
ということで、短い時間の中で、いかにシンプルに伝えるかを考えました。
朝の集会時に、話をする機会をいただけたので…。最初の挑戦をしてみました。
使えるものは、生徒の聴く力と同僚の助け、そして自分の声と自分の身振り。
内容はというと。
私『ハァロォーォー?』、生徒『ハァーァーィ!』
というお決まりのスタイルで始まり。
私『今日は少し時間をもらえたので、皆に「手洗い」の話をさせてもらいます。』
『皆、手洗いが大切なことも、手洗いの仕方も良く知っていますよね?知っている人は、手をあげてください。』(ほぼ全員の手があがる。)
『さすがですね!ではでは、しっかり実行している人はどれくらいいるのでしょうか…?』
『皆が知っているとおり、先週から、ランチタイムの様子をずっと観察していました。そして、何人の生徒が手洗いしているのか、数えてみたんですね。』
『何人だったと思いますか?』(生徒たちはざわつき、その後、同僚の『キープクワイエット!』という言葉で黙る。)
『先週の木曜日、ランチタイムに手洗いしていたのは、23人でした。300人以上の生徒がいる中で、しっかり手洗いしていたのは23人…。』
『この現状、どう考えますか?』(生徒たちはニヤニヤとざわつき、再び「キープクワイエット!」の言葉で黙る。)
(少し内容を省いて、最後に…)
私『今日も、ランチタイム、皆の様子をしっかり見ていますね。そして、何人の生徒が手洗いしてくれるのか、楽しみにしています。』
『私のメッセージ、伝わりましたか?理解してくれた生徒は…、クラップ・ユア・ハンズ!』
するとありがたいことに、生徒たちは
『タン・タン・タタタン・タン♪』と合図を出してくれました。
そして、楽しみにしていた昼休み。
嬉しいことに3つの変化が起きました。
変化その1、いつも一緒に食事をとる同僚の先生が、食事前に石鹸を使って手洗いをした。
変化その2、手洗い用のバケツが、廊下から、食事エリアに移動していた。
変化その3、生徒の様子はというと…。
写真のように、バケツの周りに生徒が集まり、カウントできない数の生徒が手洗いを実行していてくれました。
もちろん、全員が実行できたわけではないのですが、この様子をみて、とても励まされました。
そして次なる課題は、「習慣化」。
この課題は、とっても難関です。でも、少しずつ変化してくれることを願って。